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概要
ここでは、Ls11Mod APIのAPIとなる「split」と「join」を解説しています。
LS11のファイルをデコードしたとしても、そのままでは、まだ使いにくいデータ形式です。
例えば、message.n6pをデコードしたとしても、それぞれのファイルはなおも、プログラムでは扱いにくいとわかるでしょう。
また、迂闊にデータの長さが変わるような変更をすると、データ表示の際にずれ込むことも分かります。
これらの問題を解決するため、splitとjoinの2つの関数が存在します。
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分解と結合
// 1つの扱い難いバイナリデータを、意味単位で分解する
void ls11_SplitData(vector<byte> &vSrcJoinedData, vector<vector<byte>> *vDstSplittedData);
// 分解したものを1つに結合し、元へと戻す。
void ls11_JoinData(vector<vector<byte>> &vSrcSplittedData, vector<byte> *vDstJoinedData);
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分解~結合の具体例
message.n6pをデコードしたが、そのままでは扱いにくいので、message.005をさらに分解して、vSplittedDataへと格納する。
そして、4番目(index的には3)のデータの塊の要素を見る。
又、vSplittedDataしたものを、元の状態(message.003として扱える状態)へと戻す。
vector<vector<byte>> vBufDecodedData;
ls11_DecodePack("message.nb6", NULL, &vBufDecodedData );
vector<vector<byte>> vSplittedData;
ls11_SplitData( vBufDecodedData[5], &vSplittedData );
char *test = (char *)&vSplittedData[3][0];
// └ ここをデバッガで張ればよい。何が得られるかわかるだろう。
// 特定部分を変更をする際には、一度該当要素をコピーした後、該当要素の部分のvector要素をクリアした方が良い。
// vectorは一度要素を確保してしまうと、小さな方向にsize()が変化しにくいので、必ず適切なsize()となるように、意識すること。
vector<byte> vBufJointedData;
ls11_JoinData( vSplittedData, &vBufJointedData );
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LS11の分解と結合のフォーマットデータの詳細
LS11 Archieveで分解して、たとえば、bfile.001となったデータを見てみると、
- ファイルの先頭から、2バイトずつ、
各メッセージの格納開始アドレス(位置)が、指定されていて、並んでいる。
- それが終わるとデータ本体が配列のように並ぶ。
よって、
- 先頭から最初の2バイトのアドレスが、一番最初のデータ本体のアドレス、
- 先頭から次の2バイトのアドレスが、2番目のデータ本体の開始アドレス
という感じ。
これは、途中のデータの長さを伸ばすと、先頭のこれらアドレス群を修正する必要があることを意味する。
今回紹介した、splitやjoinの関数は、
- ls11_SplitDataは、この各々のアドレス情報に基づいて、データを分割する。
- ls11_JoinData は、vectorのsize()から計算して、各々のアドレス位置を割り出し、全てを連結して1つにしてくれる。
というわけである。